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済州の生命の森、「コッチャワル」
2011.11.21 (月) 尹龍澤 contributor@jejujapan.com

  

   
▲ 橋来コッチャワル団地 写真提供:済州特別自治道

コッチャワルはオルムや溶岩洞窟とともに済州島で見ることのできる特異な火山地形である。「コッチャワル」とは鬱蒼とした森を意味する済州語「コッ」と茨の藪が生い茂る所を意味する済州語「チャワル」の合成語であり、生態的には「木と蔓などでできあがった鬱蒼とした森」を意味し、地質的には「粘性が高いねばねばとしたアア溶岩(Aa lava)が流れ、冷えて形成された岩で凸凹地形になった厳塊地帯」を意味する。生態学者と環境運動家たちはコッチャワルを済州の肺臓、呼吸する土地、地中の河、水の森、生命の森、済州の生態系のオアシスなどと呼ぶ。

済州特別自治道が運営する地理情報システム(GIS)によれば、コッチャワルは主に済州島の東部と西部地域に分布し、済州島全体面積の約6%を占める。コッチャワル地帯としては、西部地域の翰京 ―安徳コッチャワル、涯月コッチャワル、東部地域の朝天―咸徳コッチャワル、旧左―城山コッチャワルの4地域に大別され、それをさらに細分すれば月林 ・新坪コッチャワル、上倉・和順コッチャワル、納邑・ウォンドンコッチャワル、朝天・大屹コッチャワル、橋来・咸徳コッチャワル、善屹コッチャワル、終達・漢東コッチャワル、細花コッチャワル、上道・下道、水山コッチャワルなどとなる。

コッチャワル地帯は土壌がほとんどない岩塊地帯なので、農耕ができない。したがって、昔は主に放牧地として利用したり、木材や薪を求めたり、炭を焼いたり、薬草を摘んだりするところとして使用されていた。しかしながら近代化されるにつれてそうした必要がなくなったので、タダ同然の価格で国内外の企業に売却され、観光団地やゴルフ場などとして開発され、その過程でコッチャワルの生態的価値を重視する環境団体の激烈な抵抗に遭遇もした。エコランドがあるビーチヒルズリゾート、太王四神記ドラマセット場がある猫山峰観光地区、神話歴史公園と英語教育都市、ブルレックストーン、ラオン、テディベアゴルフ場などはコッチャワル地帯に建設されたものである。 コッチャワルは大小の岩が数十メーターも重なっていたり陥没していたりの凸凹地形の狭い地域ながら、多様な気候環境条件がつくりあげられている。巨大な岩の層は、洞窟内のように年中一定の温度と湿度を維持してくれるので、夏には涼しく冬には暖かい。それゆえにコッチャワルには一年中、蕨などのシダ植物が育っている。その一方で、コッチャワルには土がほとんどないけれども空中湿度が高いので、木の種が岩の合い間や、さらには岩の上でも発芽する。コッチャワルの木は成長速度が極めて遅いが、根は岩の合間に露出し、まるで熱帯雨林の木のようになる場合が多い。 コッチャワルは環境的に非常に重要である。その理由は済州道が誇る清浄な地下水がコッチャワル地帯でつくられるからである。

   
▲ 写真提供:済州環境運動連合

済州道は温帯気候から亜熱帯気候の転移地帯に位置しており、漢拏山がにょっきりと聳え立ち降水量が比較的に多い。コッチャワル地帯に降る雨水は百%地下に流れ込み清浄地下水になる。その点でコッチャワルは地下水を涵養する大地の中の河と言える。したがって、コッチャワルが破壊されでもしたら、済州の地下水が汚染される可能性が非常に高い。 コッチャワルは生態的に極めて重要である。コッチャワル地域は冬でも落葉樹と常緑樹が共に仲良く緑を維持している韓半島最高の常緑広葉樹林地帯である。そして北方系植物と南方系植物が共存し、韓半島のシダ植物の80%が分布する自生植物園である。コッチャワルには世界で唯一の済州フユノハナワラビ、国内唯一のイチイガシ 、世界的な稀貴種であるRubus hongnoensis Nakai 、その他にも稀貴植物、絶滅危機植物、特産植物、茸類が大量に棲息し、数多くの爬虫類、シダ類、鳥類などの動植物が棲息している生命の森である。 そればかりか、コッチャワルは文化歴史的にも価値が高い。昔の済州の人々はコッチャワルで木材や薪を求め、炭を焼いた。したがって、コッチャワルには今でも炭窯と陶磁器の窯などの文化的遺跡が残っている。そしてコッチャワルには岩の洞窟と大小の溶岩洞窟が多く、済州4・3事件当時には、地域住民の避難地にもなった。 済州特別自治道の地理情報システムによれば、地下水保全2等級から開発が可能とされており、生態系保全3等級から全面積の30%を開発できるとされている。その基準によれば、コッチャワルは地下水保全2等級、生態系保全3等級なのだから、開発の危機にさらされることになる。したがって、清浄な地下水を涵養し稀貴動植物が多数存在するコッチャワルは地下水保全1等級、生態系保全2等級以上に引き上げて、全面的に開発を禁止すべきである。 コッチャワルは環境的、生態的、文化的価値が高い世界的遺産である。したがって、コッチャワル保護のためのナショナルトラスト(一坪地主)運動がさらに活性化されねばならない。コッチャワルを自然のままに保全すれば世界的な生態観光コースになるだろう。よく保全されたコッチャワルは済州経済の発展を持続可能にし、済州の人々の暮らしの道を開いてくれるだろう。

尹龍澤  済州大学哲學科 敎授。耽羅文化硏究所 所長。 済州道 西帰浦市 江汀で生まれ育った。東国大学にて哲学博士学位取得。 済州島の文化・環境・平和運動に参加する傍ら、関連文章の執筆に勤しんでいる。 代表的な著書として『済州島の新舊間 風俗硏究』がある。

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