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現代人の魂の巡礼路、済州オルレ誕生秘話
2011.11.02 (水) 閔庚振 contributor@jejujapan.com

 

   
撮影:コ マンホン

南フランスからスペイン北部に続く「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(El Camino de Santiago)」には数千年間にわたって、ヨーロッパやアジアなどから数多くの巡礼者が訪れている。   ブラジルの小説家パウロ・コエーリョは800Kmに達するこの巡礼路を歩いた後、1987年に『星の巡礼』という小説を書いた。今日この巡礼路は、毎年10万人以上もの心の癒しを願う巡礼客でにぎわっている。 しかし、聖ヤコブがこの道を歩いた2千年後に、しかも、地理的にはるか遠くの韓国人にインスピレーションを与え、多くの人が済州島の道を歩くことになるなどと誰が想像しえたであろうか。

 韓国のインターネットニュースである「オーマイニュース」の編集局長だった徐明淑(ソ・ミョンスク)さんは、2006年9月に23年間のジャーナリスト生活にピリオドを打ち、1ヶ月の準備の末に36日間の「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」に旅立った。 彼女は巡礼路を歩くうちに、当時、この巡礼路のテレビ・ドキュメンタリーを撮影中だった小説家のパウロ・コエーリョに会った。旅が終わる頃にはイギリスから来たヘニーという若い女性にも出会った。ある夕方、巡礼の旅がいかに素晴らしかったかを話しているうちに、ヘニーが突拍子もない提案を持ち出した。 「この巡礼の旅がとてもよかったから、国に帰ったら、お互いの故郷にもこの巡礼路のような道を作ってみたらどうかしら」 済州生まれのソ・ミョンスクさんは子供の頃の島の風景がいかに美しくて厳かだったかの記憶に思いを巡らせた。そして済州に戻ると、いかにも昔の村の趣を残している海岸の村に沿って、石垣に守られてくねくねと延びる、「オルレ」の探検を開始した。 そして、随所で途切れてしまっている昔の道をつなげば、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」に劣らない巡礼路を開けると直感したのである。

 最初のオルレコースは2007年9月に一般に公開された。その後、ソ・ミョンスクさんとスタッフは、済州島一円に約270Kmを超えるオルレコースを開拓、公開した。その過程では海兵隊のキャンプで訓練中だった将兵たちが、自ら志願して大岩のせいで途切れていた海沿いの道を開いてくれたりもした。現在までに19のオルレコースが作られ、ソ・ミョンスクさんとスタッフは今も新しいコースを開拓中だ。 

     
   
▲ 済州オルレは、済州島を従来とは異なった角度から楽しもうとする韓国人の間で旋風的な人気を集めた。  写真提供:済州オルレ(撮影:カン・デボン)

済州オルレは、済州島を従来とは異なる角度で楽しもうとする韓国人の間でたちまちのうちに旋風を巻き起こした。オルレが紹介された初年には約3千人がオルレコースを歩いたが、翌年にはその数が3万人に急増した。昨年は20万人を超える訪問客が、オルレコースを歩いたとされている。 済州島の観光産業が始まって久しい。しかし、オルれの成功に至るまでの30年間、たびたびの紆余曲折を経なければならなかった。 70~80年代、済州は韓国のハワイと呼ばれ、新婚旅行のメッカだった済州へ新婚旅行に来た人たちの多くが、再び済州を訪れた。当時はタクシーや観光バスを貸し切りにして、有名な観光地を見て回るのが典型的な観光スタイルだった。徒歩や自転車であまり知られていない所を探して回るような一部の積極的な観光客を除けば、済州島は観光するには整備されてはいるが、自然が美しいという以外には特色のない観光地のひとつにすぎなかった。 90年代に入いると、新婚旅行先は海外に変わった。、韓国最高の観光地としての済州島の名声が色あせ始めた。しかしその代わりにレンタカーブームが起き、済州島のあまり知られていない所を見て回る観光客が次第に増えていった。

オルレを開拓していたソ・ミョンスクさんにとって幸いなことは、2000年代になってから済州の観光インフラに大きな変化があったことである。格安航空会社の登場である。  大韓航空とアシアナ航空が独占していた金浦-済州路線の往復航空料は、20万ウォンから4万ウォンまで下がった。これに伴い、一般旅行客の済州に対する心理的な距離感も徐々に縮まり始めた。格安航空会社は済州旅行の性格そのものを変えた。済州は今や新婚旅行や一生に一度の旅行先ではなく、週末に気軽に行ける美しい島に生まれ変わった。 オルレの大成功のおかげで、去年の済州の年間訪問客は新型インフルエンザの大流行にもかかわらず、目標をはるかに超える650万人を突破した。

オルレは何よりも済州道民の心をつかんでいる。これまでの観光客は主に道外人が所有する大きなホテルに泊まり、地域経済への波及効果は大きくなかった。しかし、オルレコースを歩く人たちが落とすお金は済州道民の懐に入ってくる。 19に及ぶオルレコースを歩いてみると、「歓迎」の垂れ幕をあちこちで見かける。済州道民が心底から観光客を歓迎しているのだ。 「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」を旅して3年が過ぎた現在、ソ・ミョンスクさんは世界の巡礼客を済州に呼び集め、済州をアジアの生態観光の中心地に生まれ変わらせたいという大きな夢を育んでいる。果たして彼女の夢が叶えられるか。在韓外国人コミュニティーのオルレに対する反応を見るにつけ、それも可能かもしれないと思わないわけにはいかない。

今度ソ・ミョンスクさんに会えたら、質問してみたいことがある。 「3年前、互いの故郷に『サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路』を作ろうと提案したイギリス人のヘニーさんは、今何をしているのでしょうか。 ソ・ミョンスクさんがヘニーさんを済州島に招待して、オルレコースを一緒に歩いてみてはいかがですか」と。

 

記者 : 閔庚振   contributor@jejujapan.com 

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