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寒ブリは済州島で堪能すべし!!
2012.01.11 (水) 佐藤あゆみ contributor@jejujapan.com

   
 
 わさびを載せて、切り身の角のほんの少しだけ醤油に付ける。それだけで醤油の表面に脂の輪がぱあっと広がり、その時点で既に「今年も食べられるなぁ。」と幸せを感じてしまう。「今年も済州島の近海にブリの群れがやってき た!」。11月に入るとテレビニュースは報じ、港は活気付く。そう、済州島でも寒ブリの季節。先月には「最南端ブリ祭り」が開催され、ブリシーズンの幕が開けられた。

ブリは北海道から九州、さらには済州島付近の海域にまで生息する回遊魚である。春から夏にかけては沿岸を北上し、初冬から春にかけては沖合いを南下する。それが日本各地で「寒ブリ」として愛されているものだ。日本ではブリは成長の過程、さらには地域によって呼び名が変わる。「ワカナゴ、ツバス、イナダ、フクラギ、ハマチ、ワラサ、メジロ…」などなど、同じ魚を指すとは思えないほどたくさんの呼び名がある。東北、関東、関西出身の三人がいくらこの「ブリの別名」の話をしても通じないはずだ。私は「イナダ」は知らない魚だと思っていたが、「ハマチ」と呼ぶ地方もあるのだそうだ。あぁ、「ハマチ」ならば私も良く知っている。この二つは同じ魚なのである。現在では大まかに、関東でも関西でも「ブリ」は天然もしくは80cm以上のもの、「ハマチ」は80cm以下もしくは養殖ものを指すようになっているらしい。済州島ではこの冬の時期に50~80cmの天然のブリを楽しむことができる。現に私も、済州島に来てからは安くて美味しい天然ブリの虜になってしまった。

今年は西帰浦市の魚市場で、その場でさばいてもらった70cmのブリが食べ初めだった。日もとっぷり暮れた夜の市場で、その活魚店の前だけはブリの解体を待つ長蛇の列。30分ほど並んだ末に、太ったブリを選ぶと、、分厚いブリの刺身をたっぷり盛り付けた大皿がどーんと2つも出てきた。値段は日本円にして4,000円ほど。天然ものとしては格安である。

   
▲ (上) 済州市「モスルポ食堂」のブリの刺身 (下)天然のブリを豪快にさばく  撮影 : 佐藤あゆみ

韓国でも刺身はわさびしょう油で食べることもないわけではないが、郷に入れば郷に従えで、韓国式の食べ方を試してみるのも面白い。まずは甘さと辛さと酸っぱさが絶妙な唐辛子酢味噌「チョ・コチュジャン」を付けて食べる方法。或いは、味付け味噌「サムジャン」と一緒に食べるのもお勧めだ。海苔と一緒に食べる場合もある。海苔の香ばしさとブリのコクの深さが不思議にマッチし、生臭さなどかけらもない。ゴマ油に塩を振ったものを付けて食べる方法も、海苔と同じような効果がある。といったように多様な食べ方を試すのは、最後の一切れまで飽きないお勧めの食べ方である。

島の南西部に位置するモスルポ港はブリの本場、前述の「最南端ブリ祭り」が開催される場所である。済州島のブリは、その多くがモスルポ沖に浮かぶマラ島周辺の海で一本釣りで獲られるという。マラ島付近は海が豊かで潮の流れが速いため、サザエなども潮に流されないように尖った長い角を持つ。そんな海で獲れる魚は身が引き締まって例外なく美味しい。モスルポ港の漁船たちはこのマラ島でブリを獲るため、ブリの名所で、「土曜市場」という通りがある。水協を中心に多くの食堂や水産会社が軒を連ね、生け簀の中の新鮮なブリをその場で刺身に下ろしてくれ、毎週土曜日には多くの観光客で賑わうのである。「ここの魚は全部天然ものだから、魚の獲れないシーズンには店を休むんです。」生け簀を覗くと冬の海の色をした大きなブリたちがいる。光る海をそのまま切り取ったような美しい姿に「こんなにきれいな魚を食べるなんて…もったいなくて、とてもできそうに無い」と思ったのも束の間…。女主人の素早い包丁さばきで、刺身が出来上がってみると、さっきまでの感傷はどこへやら。いかにも脂の乗った様子に、今度は「おいしそう!」と食欲が湧いてくるのだった。

数日後、刺身以外のブリ料理を試そうと済州市内の「モスルポ食堂」を訪ねてみた。ここではこの時期だけ、ブリのコース料理が出される。ブリの刺身、和え物、兜焼き、てんぷら、ブリの握りなどと盛りだくさんである。とりわけ、キムチの古漬けとブリを煮込んだ料理は、韓国ならではだ。酸っぱくなったキムチは、ブリのこってりした風味と相性ぴったりである。日本のブリ大根の大根と同じように、ブリの旨味がキムチに染み込んでお互いを引き立てて深い味になる。これも一度は試してみるべき一品である。

済州島ではこの他にもブリの面白い食べ方があるという。ブリの身を串刺しにしたサンジョクと呼ばれる料理。また、ブリをミンチ状にして味付けし、小さく丸めてハンバーグのように焼くブリのジョンなど。まだこれら済州のブリ料理は食べたことが無いが、次はきっと試してみたい。食べ物の味が一際の季節、済州島の冬の楽しみは尽きることがない。


記者 : 佐藤あゆみ   contributor@jejujapan.com 

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