Update 2012.12.12 水 18:33
トップページ お気に入り
全記事一覧
首页 > 新聞 > 文化芸術 > グルメ | Food
済州ミカン、韓国の健康食品
2011.12.15 (木) 吳栄周 contributor@jejujapan.com

   
▲ 耽羅巡歴図、柑橘封進    写真提供:済州柑橘博物館
大韓民国で最も親しまれている国民的果物は何か?リンゴの二倍も食べられている済州産ミカンである。最近発表された国民栄養健康調査の結果が実に興味深い。女性が男性よりもミカンを好み、ミカンは十大消費食品の一つなのである。そして女性にとってビタミンCを供給してくれる食品の第一位はキムチではなくミカンだと言うのである。ミカンはビタミンと無機質が豊富である。また、栄養素ではないが、現代人の成人病を予防してくれる生理活性物質がたっぷりと含まれている。歴史的にも王室の食品だっただけでなく、朝廷の医薬局で特別に管理される貴重な漢方薬剤だった。過去にそうであったし、今でもそうした事情に大きな変化はなく、疾病から国民の健康を守ってくれる番人、それは済州産ミカンに他ならない。


済州柑橘の歴史

済州は年平均気温が15度前後、零下になるのは稀で、柑橘類が自生できる環境条件である。済州は柑橘類の自生地圏域に属し、昔から自生種があったものと推測される。だからこそ、済州は韓半島で過去から柑橘類栽培の中心地になり、栽培の歴史も非常に長い。しかし、具体的な文献上の記録は高麗時代から登場する。高麗の文宗王6年(1052年)に耽羅国(済州の旧名)で年貢としての柑橘類の数量を改定するという記録がある。これで推し量ると、当時、柑橘類の栽培と生産量が相当な水準に達していたことが分かる。

しかしながら済州で本格的に柑橘類が栽培されだしたのは、朝鮮朝時代になってからのことである。済州の柑橘は毎年秋と冬に朝廷に進上される代表的な特産物であった。当時、柑橘の品種には在来種もあったが、大部分は中国から導入され栽培されたものであった。朝鮮時代、宗廟における薦新儀礼のための果物として、そしてまた朝廷の臣下への下賜品として重用された。また、柑橘の皮や種を乾かして、漢方薬剤として進上もした。済州から都に届いた柑橘は貴重品として多様な用途に使われ、18世紀には国家が管理する専用柑橘園が40か所にまで増えた。他方、我々が食べている改良種柑橘(ミカン)は、日本の植民地期に入ってきたものである。日本との交流が盛んだった20世紀初頭に、日本に渡った済州の人がミカンの木を持ち帰り、西帰浦で栽培し始めてからのことなのである。


柑橘と健康

許浚が17世紀初頭に著した朝鮮の代表的な医学書である『東医宝鑑』には柑橘の健康効果が具体的に記されている。「柑橘は済州で生産されるが、その皮は咳と吐き気を治し、脾臓の機能を高めようと思えば、中の白いものを捨てないで食べねばならない。柑橘の皮は色が赤く、紅皮と呼び、古いものほどよいとされ、それを真皮と呼ぶ」。そうした柑橘の健康効果は現代科学によっても次第に明らかになってきている。

過去には主に栄養素を中心として柑橘類の健康に及ぼす効果が語られてきた。その果汁に豊富なビタミンCは壊血病など皮膚炎を予防し、抗ストレス効果があるとされている。無機質であるカリウムは高血圧を予防し、辛味を出すグエン酸は疲労回復によいとされた。最近ではそれらの効果に加えて、柑橘の生理活性物質が確認されるに及んで、健康増進効果が注目を集めている。
 
▶ 動脈硬化症予防柑橘の苦味成分であるヘスペリジンは心臓病と脳卒中の原因となる動脈硬化症を予防する。ビタミンPとも呼ばれるヘスペリジンは毛細血管を丈夫で弾力のあるようにし、血圧上昇を抑制しもし、内臓脂肪と皮下脂肪が増えることを食い止める効果もあるヘスペリジンは外の皮(外果皮)には果肉の50倍、皮の内側の白い部位(内果皮)には果肉の300倍も含まれている。したがって、柑橘を食べる際には、白い繊維質を剥いて食べてはならない。柑橘で動脈硬化症を予防しようとするならば、中の皮の白い部分を取り除かないで、そのまま食べるべきである。そのためには、皮の尻の部位から割り始めればよい。内果皮を嫌う子供たちのためには、柑橘飯を炊いてやるのもよい。それは次のようにして作る。まずは米を洗い、水を取り除く。白い内果皮がくっついたままになるように皮を取り除いた後で、一口くらいに切る。割合としては米一合に温州ミカン半個程度である。それを米と一緒に炊けばよい。
 
▶ 肥満予防ミカンに豊富に含まれている繊維質であるペクチンには糖分の吸収を抑制し肥満を予防する効果がある。消化されない繊維質であるペクチンは女性の悩みの種である肥満を予防してくれる。ペクチンは水溶性の植物繊維であり糖を包み込む形になっており、余分な糖分の吸収を妨げてくれる。ペクチンは果実以外にはほとんど含まれない。甘味が強い果実を食べると太るのではと心配して食べないで済ますことが多いのだが、ペクチンが豊富なミカンは糖分の吸収を抑制するので、取り立てて心配するには及ばない。ミカンで肥満を予防しようと思えば、次のように摂取すればよい。食前に有機栽培の大きなミカンをひとつ、皮をむかないで外果皮も一緒にしっかり噛んで食べる。特に朝食前にミカンを食べると効果が高い。ミカンの酵素が体内に入ると、排泄作用が促進されて、すらりとしたスタイルを作ってくれる。
 
▶ 生活習慣病予防温州ミカンに大量に含まれているβ-クリプトキサンチンには癌や糖尿病をはじめとする生活習慣病を予防する機能がある。この物質は身体細胞が酸化して傷つくことを防いでくれる強力な抗酸化剤である。細胞を健全に守ってくれるので、癌や糖尿病などを初めとする慢性退行性疾患が進行しないように、事前に遮断する役割をするものである。日本でなされた大規模疫学調査によれば、冬にミカンをたくさん食べる人は夏にも血中β-クリプトキサンチンの濃度が高いことが確認された。ミカンを一日に2~3個食べる人はその物質の血中濃度が高く、肝硬変の危険性が非常に低いことが確認された。β-クリプトキサンチンは温州ミカンに相当量含まれているが、西洋で多く摂取されているグレープフルーツにはほとんど含まれていない。特に、温州ミカンの皮には100グラム当たり、なんと8,02ミリグラムというように多く含まれている。またその物質は骨の形成を促進し、骨粗鬆症を予防する機能があることも確認されている。したがって、閉経後の女性には骨粗鬆症の予防にも有効である。

 

   
▲ ミカンママレード  撮影:吳英周
<ママレードの作り方>   
  

 温州ミカンの皮を剥く。皮を剥いたミカンを小さく切る。皮を小さく刻んで鍋に入れ水を1,2回変えて煮る。小さく切った果肉と煮て酸味が弱まった皮を一緒に入れ、そこに砂糖とレモンを加えて煮詰める。柔らかく煮えると火を止めた後、熱湯消毒したビンに入れて蓋をする。冷蔵庫に保管して2週間程度は食べることができる。

 

吳栄周  (済州漢拏大学校ホテル調理学科教授)   contributor@jejujapan.com

     関連記事
· 済州の伝統婚礼と豚肉料理文化· 済州の長寿食文化 「ウヨンバッ(家の敷地内の畑)」での野菜栽培
· 済州の民俗酒、オメギ酒、コソリ酒· 済州馬肉食文化と健康料理
· 済州の旧正月の食文化· 済州の伝統婚礼と豚肉料理文化
ⓒ 済州ウィークリー(http://www.jejujapan.com) 記事の無断転載を禁止します | 版.聲明  
Most Popular
Photo
「在日済州人、彼らのお蔭で今日の済州があるんですよ」
兪弘濬『済州文化の深淵を込めました』
〖WCC〗世界の環境リーダー、人類に問いかけたメッセージは?
〖WCCあれこれ〗済州の生命(いのち)の森、「コッチャワル」
[청소년보호정책]
Mail to editor@jejujapan.com   Tel. +82-64-724-7776   Fax.+82-64-724-7796   청소년보호정책 : 고은영
登録番号 : Jeju Da 01093   登録時間 : 2008年 11月20日   発行人 : 宋姃姬
Copyright © 2009 jejujapan.com 掲載の記事・写真・図表など無断転載を禁止します。すべての内容は韓国の著作権法により保護されています。